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「修士卒・日系企業研究職」に思うこと

この記事では、「転職の実験室」を運営するに至った要因のひとつである、「修士卒・日系企業研究職」について思うことを記しておきたいと思います。

「修士卒で研究職に就くことについてどう思っているのか?」

「日系企業の研究職についてどう思っているのか?」

「修士卒・日系企業研究職がとるべきキャリア戦略とは?」

興味のある方は、ぜひご一読ください。

研究職としてキャリアを積むことは難しい

「修士卒」で研究職としてのキャリアアップを望むことは難しいです。

主な理由は、次のとおりです。

  • 日本以外の国で「修士号」は通用しない
  • 雑用や会議が多く、研究にあてられる時間は決して多くない
  • 研究内容は会社の方針次第。自身のバックグラウンドは重視されない。

日本以外の国で「修士号」は通用しない

日本以外の国で「修士号」は通用しません。「博士号」をもたずして研究職を名乗るのは、海外の研究者から見たら不思議な感覚があるでしょう。

「日本企業でずっと働くつもりなら問題ないのでは?」

と思うかもしれませんが、「研究」という世界共通の取り組みにおいて、完全に日本国内と海外を切り離すことはできません。

研究部門でキャリアアップするための要件(一例)
  • 国外の大学・研究機関における研究経験
  • 国際学会の役職就任

国外の研究者との協働がキャリアアップに有利に働く以上、「博士号」をもつことがキャリアを積む上での必要条件となるのです。

もちろん、修士卒の方でも研究部門の中である程度の出世をすることは可能でしょう。とはいえ、それはあくまでも珍しいケース。ある程度の規模をもつ企業では、純粋な研究の能力だけでなく、よほどのビジネス感覚・経験をあわせもつ人材でなければ難しいでしょう。

雑務や会議が多く、研究にあてられる時間は決して多くない

日系企業において、研究職としてキャリアを積むことが難しい理由の1つとして、純粋に「研究にあてられる時間が少ない」という事実が挙げられます。

日系企業研究職に求められる、研究以外の業務について例を挙げてみましょう。

  • 煩雑な事務手続き、上長への承認・決裁依頼
  • 明確な目的のない研修
  • 自身の職務とは関係の薄い、突発的な雑務

日系企業は海外に比べて圧倒的に雑務や会議が多いです。誰に得があるのかわからない雑務や会議が延々と舞い込むのは、日系企業に勤める以上避けられない宿命と言えるでしょう。

研究を専門とする人間が、研究以外の作業に時間をとられてしまうと、純粋に研究にあてられる時間が減ります。ジョブ型が徹底されている海外企業の研究者と比べて競争力が落ちるのは、火を見るより明らかでしょう。

研究内容は会社の方針次第

雑務・会議の合間で捻出した自身の研究にあてた時間も、ある日突然無に帰してしまうことは少なくありません。会社の業績や方針次第で、個人の研究分野が変更になることなど日常茶飯事です。(ひどいケースでは、本人の意志に関わらず研究部門ではない部署に異動になることも少なくありません。)

企業に雇われて研究を行う以上仕方ない部分もありますが、「専門性を高めにくい」ことは研究者として致命的です。いくつもの知識・研究経験が、ある日有機的に結びつけばラッキーですが、専門性の低い中途半端な研究者を量産しているのが日系企業の現状と言えるでしょう。

研究職を生かしたキャリアには博士号が必要

ここまで、修士号の肩書で、研究職としてのキャリアを積むことが難しい理由について話してきました。

それでは、どうしても研究職として一生食べていきたい場合にはどうすればよいのでしょうか?

結論、博士号を取得する。これに尽きます。

修士卒で研究職として働いている人は、薄々気づいている真理でしょう。

繰り返しになりますが、博士号なしで研究職としてキャリアを築くことは不可能です。

日系企業は修士卒でも研究職に配属させるのが普通なので、博士課程に進まずに就職してしまう人が多いです。ところが、研究職としてキャリアを築くという観点では、この選択は大きな間違いと言っても過言ではありません。目をつむろうとしていた真実に向き合いましょう。

「研究職としてキャリアアップする」という観点で、博士号をとるメリットについて整理してみましょう。

博士号を取得するメリット
  • キャリアの途中で、国内外の大学や研究機関で研究する機会を得やすい
  • 海外の研究者からも、対等に研究者として扱われる
  • 日系企業においても、(ある程度)専門性を重視して扱われる

これらが修士卒・日系企業研究職との無視できない違いです。

要するに、博士号を取得することによって、国内外問わず自身の専門性が最大限活かせる環境に身を移し、さらに専門性を高めることができるようになるのです。

以上からわかるように、博士号をもっていても日系企業の枠組みに収まっているだけでは意味がありません。ましてや、新卒で入社した会社に一生収まっていては、博士号を保持していてもキャリアが築けない点には注意しましょう。

修士卒・日系企業研究職がとるべきキャリア戦略

研究職としてキャリアを築くうえで、博士号が必須である理由について説明してきました。

「修士卒で研究職に就こうとしている。。。」

「もう修士卒で研究職として働いている。。。」

という方には、不安を煽るような内容となってしまい、申し訳ありません。

ここからは、そんな「修士卒・日系企業研究職」がとるべきキャリア戦略について、いくつかのモデルケースを示していきたいと思います。

修士卒・日系企業研究職がとるべきキャリア戦略
  1. 再度大学院に進み、博士号を取得
  2. 社会人博士として働きながら博士号を取得
  3. 研究職の経験を生かした別の職種にキャリアチェンジ

再度大学院に進み、博士号を取得

1つ目のモデルケースは、アカデミアに再度戻るという選択です。

実際私の周りにも「再度大学院博士課程に進み、博士号を取得」という選択をする人が少なくありません。きっと、修士として研究職に従事する中で感じる違和感と向き合った結果でしょう。

「せっかく入社したのに大学に戻るなんてもったいない!」

と感じる方もいるでしょう。しかしながら、個人的には十分アリな選択ではないかと思っています。

というのも、一度社会に出て、企業(産業)における研究や規模の大きい共同研究を経験することで見えてくるものがあるからです。修士課程からそのまま博士課程に進学する場合に比べて、より目的意識をもった研究ができるという利点があるのではないかと思っています。

社会人博士として、働きながら博士号を取得

続いては、「社会人博士」という道です。

基本的に退職する必要がないため、修士卒で企業研究職として働く人にとって、もっとも抵抗なく博士号取得を目指せる選択肢でしょう。

懸念されるのは、今勤めている会社が「社会人博士」に対して理解があるかどうかです。制度として認められているかはもちろんのこと、仕事と博士課程の研究の両立に協力的な環境かどうかが重要になります。

今の会社に社会人博士制度がない、あるいはとても両立できる環境ではないという方は、一度転職を挟むという選択がおすすめです。社会人博士の前例があるかを重視した企業選択をし、社会人博士を目指す意思をしっかり伝えるように心がけましょう。

研究職の経験を生かした別の職種にキャリアチェンジ

3つ目の選択肢は、研究職ではない、別の職種へキャリアチェンジをする道です。

「博士課程に進んでまで、研究職として上を目指す必要があるのだろうか?」と疑問を感じる方がとるべき唯一の選択肢と言えるでしょう。

研究職としてのこれまでの経験を生かせる職種は少なくありません。一般に言われるキャリアチェンジ先には次のような例があります。

  • 開発職
  • 生産技術職
  • エンジニア
  • コンサル

より製品・サービスに近いレイヤーに移ることや、コンサルのような知的生産性の高い職業が候補に上がりやすいです。

とはいえ、個人の経験や能力、関わってきた分野次第で適する職種は異なります。

「研究以外、自分にはどのような仕事ができるのだろうか。。。?」

と思い悩むよりも、転職エージェントとの相談を通して自身の適性を見極めていくことが、失敗しないキャリアチェンジのためには重要です。

おわりに

この記事では、日本の研究職における”スタンダード”である「修士卒・日系企業研究職」について思うこと、「修士卒研究職」がとるべきキャリア戦略について述べてきました。

異論はあるかもしれませんが、私自身が修士卒研究職として日系企業に勤める中で体感した事実をベースにした内容です。

修士卒・研究職に進む予定の方、すでに修士卒研究職として働いている方の参考になれば幸いです。

どの選択肢を選ぶかは人それぞれです。読者の皆さんがより輝ける選択をされることを願っています。