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キャリア

JTCの研究職が今すぐ転職すべき5つの理由

JTC(Japanese Traditional Company):日本の伝統的企業に勤める研究職が今すぐ転職すべき理由について、5つのポイントに分けて解説していきます。

筆者自身も、かつて日本の大企業に研究職として勤務していました。安定して平均よりは高い給料をもらえていて、両親や親族は安心、地元の友人からはうらやましがられることすらありました。

一見、転職する必要などないようにも感じてしまう日本の大企業。しかしながら、実際に勤務することで分かる「このままここで働き続けてはいけない」という感覚が、筆者を転職へと突き動かすことになりました。

この記事では、以下の5つの「今すぐ転職すべき理由」について解説していきます。

JTCの研究職が今すぐ転職すべき5つの理由

【専門性】JTCの研究職に「専門性」はない

【年齢】研究職は「年齢制限」のある職種

【昇進】昇進できるのは良くて「10〜15年後」

【働き方】令和なのに「昭和」の働き方

【人的資本】「転職しよう」と思った頃にはもう遅い

「転職って考えたほうが良いのかな…?」

という気持ちがチラついている、日本の大企業に勤める優秀な若手研究職の方を1人でも救うことができれば幸いです。

JTCの研究職が今すぐ転職すべき5つの理由

【専門性】JTCの研究職に「専門性」はない

一部を除き、日本の大企業で働く研究職に専門性はありません。「しだいに失っていく」という表現が適切かもしれません。その主な理由は、以下の3点です。

  • 「研究」に割ける時間が少ない
  • 研究テーマが数年で変わってしまう
  • 社外にアピールできる機会が少ない

「研究」に割ける時間が少ない

日本の大企業で働く研究職の仕事は、研究だけではありません。部署の定例会議やメール対応、それに向けた資料作成、社員が一律で受講する必要のある研修など、自身の希望する・しないに関わらずさまざまな業務が存在します。

もろもろの雑務をこなし、いざ自分の本来の仕事である「研究」に向き合おうにも、必要な資材の発注をするだけでも膨大な時間を取られます。

取引先から見積書をもらうやり取りをし、昔から使われている古めかしい発注システムにさまざまな入力事項を記入。課長、部長の承認を得た後、さらに調達部門のチェックを受け、やっとのことで発注作業が完了。なんだかんだで1時間ほど経過し、次の作業は残業するか翌日以降。

上記はあくまでも筆者の所属していた会社の発注プロセスの例ですが、他の会社で働く知人の話を聞いても、似たりよったり。本質的な研究業務に割り当てられる時間はごくわずかで、これを増やすには残業するしかありません。勤務時間が深夜に及んだり、土日に「研究」せざるを得ないのも不思議ではないでしょう。

研究テーマが数年で変わってしまう

企業で働く以上、自分で好き勝手に研究テーマを決められるわけではありません。部署や会社の都合が優先されます。

入社当初は「修士卒」程度の専門性は無視されますし、「博士卒」であっても直接的に関係のある研究ができるわけではありません。

入社後も数年おきに研究テーマが変わるのは当たり前。部署異動や組織改編も頻繁に行われるため、1つのテーマを3年以上続けられることはほとんどありません。

社外にアピールできる機会が少ない

ここまで述べたような企業における研究職の特性に加え、「対外発表の機会が非常に少ないこと」も「専門性」を失う要因の1つです。

企業における研究職が対外的に専門性をアピールできる機会としては、

  • 論文投稿
  • 学会発表
  • 社外の講演会等
  • 特許

などがあります。どれも研究者として自身の成果を発表できる貴重な機会です。

ところが、日本の大企業においては、どれもハードルが高いのが事実です。例え研究成果として価値があるものだとしても、です。

社外秘の情報を含んでしまうことがその大きな要因ですが、対外的に発表するメリットがないと発表させてもらえないという場合も多いです。

会社のお金で研究している以上やむを得ないという見方もありますが、研究者として自分の実績をアピールできないのは死活問題。入社して数年も経つと、会社の外から見た時の研究者としての専門性は消えてなくなってしまっているのです。

【年齢】研究職は「年齢制限」のある職種

会社の外から見たときに「専門性」をアピールしにくい研究職。そうなると、会社の内側で「エキスパート」となるしかありません。

実際、筆者の所属していた会社でも、「○○ならこの人」のような、あるジャンルやある設計業務における「社内専門家」のような人々が一定数存在していました。会社としても、対外的に評価されることが難しい研究職のモチベーション向上施策として、一部の優れた研究職のみに与えられる「(一歩社外に出たら何の役にも立たない)肩書き」を与えていました。このような、(社内限定の)「エース研究者」として活躍するのも1つのキャリアではあるでしょう。

一方で、研究職には「年齢制限」があるというのも事実です。手を動かして(社内限定の)研究成果を挙げるべく働くことができるのは、30代前半くらいまで。会社としては、創意工夫できる能力に優れる若手を研究職の中心に据えたいという意思があり、それ以降は管理職や、若手をサポートする設計業務、知的財産部門のような傍流の組織への異動が待っています。(※「傍流」というのはあくまでも研究職視点での話です。)

これは実際に筆者が見た30代後半以降の人々が歩んだキャリアの実例であると同時に、退職時に管理職である上司が口にした研究職人事の実態、そして転職エージェントに聞いた日本企業の研究職に対するスタンスでもあります。

研究が好きで、「生涯研究者」を貫くことは、少なくとも日本の大企業では難しいでしょう。研究職は「賞味期限」のある職種なのです。

【昇進】昇進できるのは良くて「10〜15年後」

対外的にも示すことができる専門性を磨くのは難しく、社内で長く研究を続けることも難しい研究職。それならば、会社員として自然な流れである「管理職」を目指そう、という考えに至る人は少なくないでしょう。

しかしながら、管理職になるのも決して簡単ではありません。課長以上に昇進できるのは、少なくとも入社してから10〜15年後になるでしょう。

日本の伝統的企業、そして研究職という職種柄、管理職になれる年齢は早くても30代後半以降。40歳前後が平均的なのではないでしょうか?(少なくとも筆者が所属していた企業はそうでした。)

研究職として社内でコロコロ研究テーマを変えながら、広く浅い専門性を身につけ、膨大な会議と資料作成をこなし、上長に気に入られることでやっと手にすることができる。それがJTCにおける管理職なのです。

そして、これは「良い」ケースです。40歳前後になるまでに携わったプロジェクトの成否や、自分を引き上げてくれる上司とのめぐり合わせ次第では、出世コースから外れることも珍しくありません。

一歩間違えれば、年下の管理職に気を使われながら、「主役」である若手研究職のサポート業務をこなしてキャリアを終えることになるのです。筆者の職場にも「自分は運が悪かった」「(同年代の管理職を指さして)アイツは仕事ができない」などと陰口を叩いて若手の歓心を買おうとしているオジサンが何人もいたのを覚えています。

【働き方】令和なのに「昭和」の働き方

管理職になれれば万々歳なのか?

答えはNOです。

価値観次第では、若手研究者のサポート業務をこなしながら定時退社する生活の方がハッピーかもしれません。

それはなぜか?管理職には「残業時間」という概念がないからです。

管理職に限った話ではありませんが、中堅以降の社員には「裁量労働制」や「高度プロフェッショナル制度」が適用されることが多いです。これにより、実質的には「無制限の残業」も可能に。もちろん、会社によっては厳格に残業時間を管理しているところもありますが、そうでない会社も多いでしょう。実際、筆者が勤めていた誰もが名を知る大企業でさえ管理はガバガバでした。

「無制限の残業」が可能な状態で、実質的に管理される側ではない管理職となれば、残業時間という概念は無いようなものです。筆者と関わりのあった管理職は、誰ひとりとして土日に仕事をしていない人はいませんでした。「家族に謝りながら土日も仕事してる」と聞いたときは、同情すると同時に、このままいけば「この人は自分の10年後の姿だ」と感じ、寒気がしたものです。

このような働き方の根本にあるのは、会社として、それから個人としての働き方への価値観が昭和から変わっていないことにあります。昭和はさすがに言い過ぎかもしれませんが、何十年も続く大企業のマインドは昭和から連綿と培われたものと言っても過言ではないでしょう。

  • 思考停止で毎週開催される定例会議
  • 社内会議のためだけに何時間もかけて洗練させられるパワポ資料作成
  • 古くて使い勝手の悪い承認システム・承認プロセス

このような事務作業は、管理職になるとより一層増えてしまいます。それでも、さらに年次が上の管理職は、「昔からやっている」という理由で、休日返上でこれをこなします。年次の低い管理職は、自分だけやらないわけにもいかず、これを踏襲。このような会社の当たり前は、いつしか個人の当たり前となり、令和となった今でも次世代に受け継がれていってしまうのです。

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【人的資本】「転職しよう」と思った頃にはもう遅い

研究職としてのキャリアを築くのは難しい、管理職としても忙殺される未来が見えている…

「よし、転職しよう…!」

と思った頃にはもう遅いです。

そもそも、研究職として転職することは非常に難しいというのが1つの理由です。分野にもよりますが、概して研究職の専門性は偏ったものが多く、他社のプロジェクトや他の職種に役立てにくいのが実情です。自分がこれまで行ってきた業務で培った技術を、なんらかの他職種に応用できるかイメージしてみればわかるはずです。自社内の設計業務等では使えるかもしれませんが、それ以外に思い浮かぶものは少ないでしょう。

前半で述べたように、自身の成果を対外的に示すことが難しいことから、転職活動においても実績をアピールすることが難しいです。他社の面接担当者からしても、あなたが自社で活躍してくれる未来を想像することは難しいでしょう。

言ってしまえば、「日本企業に研究職として就職した時点で、転職しようと考えるのはもう遅い」のです。

幸い、研究職としてのキャリアを生かせる職種はゼロではありません。特に「コンサルタント」はその筆頭です。コンサルタントに必要とされる能力の多くが研究職と共通していることに加え、昨今のDXをはじめとする製造業出身者を重宝する案件増加を背景に、研究職からコンサルタントへの転職者は筆者の体感でも増加しています。

ただし、そんなコンサルタントへの転職が実現できるのも、適した年代の人たちだけ。製造業の実態を十分に経験した上で、かつコンサルタントとしての活躍が期待できる「20代後半から30代中盤」の年代がもっともコンサルタントに転職しやすい年代です。

「いつか転職しようかな…」

などと考えて、漫然と日々の業務をこなしているうちに、気づけば30代後半。これだけは避けたいものです。

転職先の限られる研究職。「もう遅い」となる前に行動できるかどうかが運命の分かれ道なのです。

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まとめ

JTCに勤める研究職が今すぐ転職すべき5つの理由について、実体験をふんだんに交えて解説してきました。

研究職という仕事の重要性は重々承知しています(だからこそ筆者も新卒で研究職に就きました)。

その一方で、実際に勤務したことで、今の日本企業で研究職として働くことの虚しさを痛感したことも事実です。

日本の大企業に研究職として勤めている・勤めたいと思っている人は、受験勉強を頑張って難関大学に合格し、大学・大学院においても勉強や研究に打ち込んだ方が多いことでしょう。

だからこそ、そのような人たちが自己実現や経済的な面で報われないことには、やりきれない思いがあります。

成長期にない今の日本社会において、日本の伝統的な企業で働き続けることが正解なのか、改めて考えるきっかけとなれば幸いです。